「お前の家族に、俺は隠さないといけない存在か?」

え?と優さんの顔を見る。
真剣な表情の優さんと目が合った。

「ごめん、よく分からないの。
いろんなしがらみが両親にはあるから」

言いながら、優さんから目を離して、前を見た。

両親の会社は、如月コーポレーションと、何らかの付き合いもあるだろう。
優さんが如月の家だからいいのか悪いのか。

将来のお見合いのこと。
優さんと頼斗は同級生でもある。

私は、サイタグループの直系の家族だから、個人的な関係は、家や会社同士をややこしくしてしまうかもしれない。
だからこそ、家族には言っていないのだ。

「サイタグループと如月は、悪い関係じゃない」

考えを読んだのか優さんが言った。

「今は、でしょ?」

「先のことは誰にもわからないさ」

「そうだけど、だから、かな?」


いろんな意味で、両親や会社に迷惑に、なることはできない。