「小さい頃からお世話になってた近所のおじさん。元高校教師だよ。」

「そんな人が咲井さんのバックにいたとは……。」

「バックって……。」

あたしは笑った。
四谷先生はそんな権力者じゃないのに。


「ただ仲が良いだけ。四谷先生は定年退職して暇人やったけん頼んだと。修学旅行中の生徒が外国で問題起こすとちょっとやそっとじゃ片付かんやろ?」


「確かに……。ちょっとした事でも全国版のニュースになるしね……。」

堀井君は足を組み、考える人のポーズをした。

なんでこの人はいちいちポーズをキメてくるんだろう?