3人で話に夢中になっていると、気がつけば外の空は赤く染まっていた。

「堀井君。時間は大丈夫?」

咲井さんが時計を見る。

「そろそろ帰ろうかな。暗くなると危ないし。」

「そーやね。」

俺は立ち上がって帰り支度を始めた。

「会えて嬉しかったよ。」

そんな俺に四谷先生は手を差し出した。握手の合図だ。

「俺も会えて嬉しかったです。」

そう言いながら差し出された先生の手を握った。

先生の手は温かかった。


「気を付けてね。」

先生のお見送りに咲井さんと二人で帰る。