家を出るため、ショルダーバッグを肩からかける。

部屋の電気を消す優さんの隣に立つ。



フッと甘い匂いがして、抱き締められた。
ドキドキしながら、そっと背中に手を回す。



優さんのシャツ越しの鎖骨が目の横にあたる。

私の肩に手を置き少し離され、顔をあげると、間近にあった優さんの顔に反射的に目を閉じた。



唇に優しく触れた柔らかい感触。

キス?



自分の心臓の音が聞こえる。

優さんの背中に回した手でシャツを握る。

スッと離れた唇に、寂しさを感じた。


目を開けるとじっと見つめる優さんの顔に、恥ずかしくて下を見ようとした時、もう一度、キスをされた。

ちょっとついばむように唇を動かすのがわかる。

最後にペロッと私の唇をなめて、離れた優さん。



目を開けると微笑んだ優さんがいる。

ちょっときつく抱き締められて幸せを感じる。

私のファーストキスだった。