「ん、でも私のこと、あんまり知らないでしょ? ちょっと変な子かもよ?」 抱き締められたまま小さく言うと 「それくらい、わかる」 「え?」 「それでも、なんでもいい。 ワガママでも泣き言でもうれしいことも、どんな歌織でも、聞きたいし知りたいから言ってほしい」 「私、ワガママだし、変なこだわり屋さんだし、困るかもよ?」 「約束する。絶対離さない。 だから、ゆっくりでいいからお前のこと、教えてほしい」