「芸術科ってどうなの?春菜は楽しいみたいだけど」
と途中で春菜を見やりながら龍くんが聞いてきた。
「楽しいよね?歌織」
「うん。ガッツリ好きなことできてるもんね。
学校でピアノも好きに弾けるし。」
そう、1日1時間は作業時間がある。
好きな楽器を弾いたり、絵を描いたり、レッスンや授業ではない、その時間がみんなそれなりに楽しみである。
「青蘭は?」
春菜が聞くと珍しく優さんが答えた。
「普通。
多分、中学校とそんなかわらないんじゃねーか?」
龍くんが続きを引き取る。
「強いて言えば理系と文系に別れたり、志望校によって選択科目が多いくらいかな?
それって普通の高校だな。
男子校だから、女の子いないけど、俺たち小学から青蘭だから、男まみれも慣れてるけどね」
あ、従兄の頼斗も行ってるんだっけ?
と思い出したけど、口にはしなかった。
そのあと、バーベキューの話や趣味の話をして、私は帰った。
自転車で、10分もかからない。
意外にも近くにいたのだ。
私はバーベキューを楽しみにしている自分に気づいていた。