「お帰り、春菜」
「ただいま、龍くん」
って、お家にお送りですか?
ハハっと笑って、帰ろうとしたら
「お茶でも飲もうよ、歌織ちゃん」
と引き留められた。
「え?いいの?」
と聞くと、こっち~、と春菜も手招きしながら中へ入って行く。
家に上がるのかと思ったら、ロビーのような場所のソファに優さんがいた。
それを見て、心臓が跳ねる。
やられてるな、と、自分で思う。
ロビーに入ると、優さんが来た。
「今日は大丈夫なのか?」
「今日は大丈夫。しばらくゆったりできるよ」
と笑って言うと、目が、優しく微笑み、それを見た私は、キュンとする。
「なんか飲むか?」
自販機の前で聞いてくる。
「自分で持ってるから大丈夫」
返事をすると、そうか、と呟きながら春菜たちのいる、ソファに向かった。