教室で自分の席を確認してみると、男女混合での出席番号順で、クマノになった私は窓側の一番後ろの席だった。
前の席はキリッとした黒目勝ちで鼻筋がすっと細く通っていて、少し厚めの唇で華やかな雰囲気の女の子。
私が座る席に近づくと
「おはよー!」
とニッコリキレイな笑顔で声をかけられた。
「おはよう」
と笑って返すと、名前は?と聞かれ、熊野歌織、と初めて熊野を名乗った。
その子は、喜田春菜(キダハルナ)と言って、美人顔に似合わず、人懐っこく明るい子だった。
入学式はほとんど座って話を聞いて、在校生の校歌を聞いて終わり、新しいクラスで、担任の自己紹介のあと、説明会の日に注文していた教科書をもらって、解散になった。
何人かちょっと喋った人たちと、バイバイと挨拶をして、新しい学校生活の初日を終え、母と帰宅した。