どのくらい時間が経ったのか、胸をついばんでいた唇が私の唇をふさぐ。
前髪を横に流すような動きで頭を撫でられている。
唇を離し、フッと笑いながら、優さんが離れ、身体を起こされて2人向かい合うように抱っこをされていた。
ブラのホックをとめてくれる。
私の左サイドで結んだシュシュと髪ゴムを外して、長い髪を触りながら
「怖かった?」
と聞いてくる。
「どうにかなりそうで怖かった
……でも、嬉しかった」
動く気になれず、全身でもたれたまま応えた。
「そうか」
フと笑うと、ギュッと抱き締めてくれる。
――近い日に、その日がくるのかな
何も知らない訳じゃない。
今日、胸を触られて嫌じゃなかった。
でも、その先に何があるのか、分からないから怖い。
でも、優さんと一緒なら、大丈夫かもしれない。
――優さんじゃなきゃ、嫌だ。
結論が出て、いつかのその日に覚悟ができた、ような気がした。
力強い腕に、返事をするように抱きついた。