店を出ると、良かったな、と笑って優さんが言った。
「だから、言ったのに~」
と教室でのやり取りを聞かせると
「俺はお前が超級の馬鹿じゃなかったら気にしないよ。
俺の成績は、まあ、何故かいつもそんなもんだ。
俺に勝ったら殴っていいよ」
「いや、勝たなくても殴りたくなったら遠慮なく殴るし。
ってか、音楽しか勝てないから絶対」
「そーだな。ま、がんばれよ」
嫌みにも返す言葉がない、と舌を出す。
「あ、そうだ。今週末は忙しいから連絡できないかも」
「分かった」
「成績もバレたことだし、私は、とりあえず帰る。
また明日ね」
手を振って別れた。