じゃ、出して

と手のひらを差し出す龍くん。

優さんたちは、笑って何も言わない。


「優さん、買い物しよ?」


優さんを引っ張ると


「あー、歌織が逃げる!
優さん、駄目っ」


春菜の言葉に優さんが立ち止まる。


「えー?私関係ないじゃん。
巻き込まないでよ?」

「この話、聞いたときから巻き込まれてるんだよ」

立花君がしれっと言う。

「いやいや、そんなわけないし。
私はこれで、また明日~」

と、帰ろうとすると、優さんまで

「諦めろ」

と言った。

見せなきゃ帰れないかもしれない

「あ~、もう、優さんだけに見せるから、ほらっ」

ペンケースに入れていた成績表を出して見せた。
龍くんものぞきこみ

「はい、合格!」

「へへ、だから、言ったでしょ?
ま、頑張ってね、お先に~」

昌さんと功さんが手を振ってくれる。

春菜たちは唖然としたまま私を見てる。