その時、担任の久保先生が、教室から出てきて
「お待たせしました、西田さん、どうぞ」
と声をかけられ教室に入った。
――わざわざお越しいただき……
――お世話になっております、よろしくお願いします……
母と担任の挨拶を聞きながら、椅子に座った。
「受験されるとのことですが」
と担任が切り出した。
「娘の希望です。手続きや書類などよろしくお願いいたします」
その後は受験の意志が変わらないことを確認され、オープンハイスクールに一度行くこと、受験の日に楽器が必要なこと、芸術科なので、今までの成績だけでなく熱意や演奏も加点されるので、合格ラインがよくわからないが頑張りなさい
と念を押されて懇談は終了した。