「びっくりした。アラトがソファーで倒れてて……」
「ご……ごめん……」
「別に時間指定はされてなかったし、ああは言ってもお手伝い程度でいいんだよ?」

二時間という時間の中で、二階まであるギルドのフローリング部分と階段、窓磨きを終わらせ、朝ご飯を作り、後は食器洗いと洗濯をするだけで、アラトの今日の仕事は終わる。

アラトは先にご飯を食べ終え、まだ起きてこないリオの分にラップらしきものを被せると、マフユに「ご飯、食べ終わったら適当に置いといてー」と伝え、素早く身支度を済ませて、ドアに手を掛けた。

『お気をつけて行ってらっしゃい』
「行ってきます」
「どこに行くの?」
「ほら、リューを引き取りに行かなくちゃって……あと、近場で弱っちいモンスターでも倒してこようかなって」
「なら私も……」
「大丈夫!」

マフユが心配そうにアラトを見ると、アラトはニコっと笑ってギルドを後にした。