マフユside
・・・
「どうやら、あの勇者殿にはこの世界についてなにも言っていない様だったが、いつかは知ることになるのだ。早めに伝えておいても損はないと思うぞ?」
「確かにそうだと思います……。でも、アラトはどう思うでしょうか? 私たちは理不尽に殺し合いをしていると知ったら」
「それは私にも、もちろん他の国の偉人達でも、どうすることもできない。そういう病なのだろう……。マフユの言う「無意識的現実逃避症候群」と言うのは……」
王女もマフユも目を伏せた。
もともとこの世界に魔物や怪物のような存在はあったのだが、アラト達の世界で謎の奇病が見つかったと同時に急激に増え始め、昔のサーティアンヌ国の人々はその事態にどうすることもできず、人口も減って行き、この世界は人類滅亡という危機的状況にまで追い込まれた。
そこにタイミング良く現れたのが『勇者』という者たちだった。
そして、王女がサーティアンヌ国の王座に就いた頃に、マフユはやってきた。
冷静に状況を飲み込み全てを受け入れたマフユは定期的にやってくる、なにも知らない『勇者』をサポートし続けてきたのだ。
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「どうやら、あの勇者殿にはこの世界についてなにも言っていない様だったが、いつかは知ることになるのだ。早めに伝えておいても損はないと思うぞ?」
「確かにそうだと思います……。でも、アラトはどう思うでしょうか? 私たちは理不尽に殺し合いをしていると知ったら」
「それは私にも、もちろん他の国の偉人達でも、どうすることもできない。そういう病なのだろう……。マフユの言う「無意識的現実逃避症候群」と言うのは……」
王女もマフユも目を伏せた。
もともとこの世界に魔物や怪物のような存在はあったのだが、アラト達の世界で謎の奇病が見つかったと同時に急激に増え始め、昔のサーティアンヌ国の人々はその事態にどうすることもできず、人口も減って行き、この世界は人類滅亡という危機的状況にまで追い込まれた。
そこにタイミング良く現れたのが『勇者』という者たちだった。
そして、王女がサーティアンヌ国の王座に就いた頃に、マフユはやってきた。
冷静に状況を飲み込み全てを受け入れたマフユは定期的にやってくる、なにも知らない『勇者』をサポートし続けてきたのだ。