「武器が手に入るまでの間じゃ。それまでは国から其方に援助金を運ばせよう。武器が手に入ったり、その竜が一人前に戦えるようになれば、援助は切られ、其方はこの国の国民になり、義務を果たすことになる」
「覚悟します」
「良し! では次に行くぞ!」

・・・

『始まりの装備』とはガラス玉と簡易型倉庫兼通信機器のことをいい、これは国の代表からしかもらえない物だという。他の国とも連携している簡易型倉庫兼通信機器は壊れれば近くにある国が公認している修理屋に頼めば直してもらえると言う。
アラトは数多い種類の中から時計型を選び、さっそく腕につけた。

「その使い方はマフユに聞くがよい。行きは兵士に預けることになった弓も、倉庫にしまっておけば預かりはしない」
「それは、安全面では大丈夫なんですか? 武器を持たせたまま城に入れるなんて……兵士に預けたほうが安全なんじゃ……」
「兵士に預けたほうが怖いな! ここは武器封印の結界を掛けているから大丈夫なんだ」

王女はニコリと笑うと、「さて、其方との話はここまでかな」とマフユの方に目を向けた。