「俺、こいつでどう戦えばいいんですか!?」
「ピィイ!!」

『始まりの装備』をもらいに来たはずが、竜をもらってしまったアラトは、もらう前よりもこれからの生活に不安を感じた。

「うむ……先ほども言ったように、このような事例は初めてで、私もどうしたらいいのかわからん……」
「この世界にきた勇者様に与えられる『始まりの装備』は一人につき一つと決まっておられます……。そして、ガラス玉が竜になったと言うことは、その竜が貴方様に合っていると判定されたからだと思われます……」

それにしても丸腰なのは変わりない。
マフユがくれた弓がなければ自分を守る武器すらなく、それを考慮して王女は当分、町から勇者宛てに来るという依頼を受けなくても良いとアラトに言った。