もうお土産を買う気もなくなって肩を落としながら集合場所へ向かう


これから先もう聞けるときはないだろうと思い半泣きになる



すると先生が歩き始めた
男子が集まっている方だった


それを見た瞬間、私の体は勝手に走っていた
先生に追いつくのに無我夢中だった


「先生っ!」


「ん?おっ中田か!どうした?」


「・・・」


下を向いたまま黙ってしまった


「んー?」


「・・・しえてください」


「ごめん、なに?」


「アドレス教えて・・・ください」


「えっ…?あ…」


顔をガバッとあげて


「教えてほしい!」


困惑気味の先生の顔をじっと半泣き状態の目で見た


「あ…うん、んーっと〇〇〇」


押しに負けてしまったあのか、アドレスを読み始めた
携帯を開き、入力しようとするが手がガタガタ震えて打つことができない


「せっ…先生のクラスの子に聞く!ありがとう!」


それだけ言って走り去った
夏樹のとこまで猛ダッシュして抱きついて緊張の糸が切れたかのように泣いた

みんなはうちを抱きしめて

「よく頑張ったね」

って言ってくれた


このとき何の後悔もなく喜びだけだった

これからこれによって苦しむとも知らずに…