事務所に向かい、着替えをしながら先程の行動について一人考えていた。

やっぱり自分からギュッとするのは大胆行動だったかな。
…押し当てたのは事実だし…第一冴木君の表情が凄く引き吊ってたし…。

力入れ過ぎちゃったかな…。

『…冴木君に…引かれちゃったかな…。』

様々な小さな不安がプチプチ弾けて気持ちがザワザワし始めて。
それでもずっとここに閉じ籠っている訳にはいかないと意を決して…事務所の扉を開けた。

すると既に着替え終えた冴木君が待っていて私はじっと彼を見詰めて口を開いた。

『…ねぇ冴木君……。』

「…ん?…どうしたの?」

『あの…私そんなに大胆だったかな…。…嫌、だった…?』

「そ、そんな訳無いじゃん!……むしろ日頃の俺の行動の方が大胆だし…。」