「―あ~、なんか心が満たされたら余計に腹減っちゃったなー♪今日は特別に山盛りのポテトも付けちゃうかなー♪」

くるりと向きを変えて厨房に向かう藤枝さんの横顔は何処となく嬉しそうに見えて、さっきまでの空気が嘘のよう。

『あっ、私もお手伝いしま―』

「賄いはマスターに任せて、俺達は着替えに行こ?…賄い食べ終わったら直ぐに夕飯の買い出し行けるように。」

『え、うん…。』

立ち上がろうとすると重力をかけられて、
今度は優しくすっぽりと抱きすくめられ耳元で囁かれた。
その声がやけに色っぽくて呆然としてしまいそうになる。