「ふむそうらしいな。で、それがなんだ?」

「えっと、それでね、お祭りは週末から三日間あってお店がたくさん出るから、たくさんの人が行くらしいわ。きっと、すごく楽しいと思うの!」

「なるほど、三日もやるのか。それは知らなかったな」


アルフレッドとしては、フリードから聞かされた後すぐに花祭り行きを決めてはいた。

しかし仕事の進捗状況によっては中止になることもあり、ふたつ返事で「行くぞ」と言えない。

それに、「行きたい」とずばりと言わずに漠然と話をされると、ドSなイジワル心に火が点る。

どうやって花畑に誘うのか見てみたくなるのだ。

それに、ほかの者と行くから休みが欲しいと言いだす可能性もある。

自分勝手ではあるが、それだけはなんとしても阻止したいアルフレッドであった。


シルディーヌの隣に移動して腰を引き寄せ、小さな頬にそっと触れると瞳に潤いが増す。

そして、赤く染まった頬から耳にかけて指先をゆっくり滑らせると、ピンク色の唇が少し震えた。


「アルフ……?」


シルディーヌはちょっと困惑した表情をしてアルフレッドを見つめる。

それでも逃げないでいるのがうれしく、恥ずかし気に震えている唇を塞ぎたくなる。