これで、大丈夫。

フリードならばきっとうまくやってくれるに違いない。


心底から安堵したシルディーヌは、アルフレッドの体にそっと身を預けた。

温かくて大きな体にしっかりと支えられており、とても居心地がよく、馬に揺られているというのに眠気が襲ってきた。

東の空が白み始めていて、アルフレッドたちは真夜中に助けに来てくれたんだと、働かない頭でぼんやりと考える。


「ありがとう、アルフ」


手綱を持つたくましい腕にこつんと額を当てると、シルディーヌを支えている腕にぐっと力が入った。


「お前が奪われたら、相手が誰であろうが、どこにいようが、必ず取り戻しに行ってやる」


シルディーヌは、アルフレッドの言葉を半分うとうとしながら聞き、いつしか深い眠りに落ちていった。