大切な人へ。(ケータイ小説向上の会課題作)

1日考えたけど。



眠れないくらいに考えたけど。




私にはわからなかった。






「先生ー」


「今日はどうした?」


私は先生に相談する事にした。




「それで?
 瞳ちゃんは悠君に会って
 胸が熱くなる事はある?
 もっと会いたいとか
 もっと話していたいとか
 思った事ある?」





胸が熱く?




「保健室に悠が来ると嬉しくなるよ。
 帰っちゃうと寂しくなるし、
 もっといてほしいって思う」


「それが好きって言うものなんだよ。
 悠君にちゃんと返事してあげな」






この感情がスキってことなの?



そうなんだ。


私、悠が好きだったんだ。




「うん!行ってくる」
「悠ー!
 ちょっと待ってぇ」



下校中の悠を見つけ、
私は全力疾走で走った。




ハァ ハァ ハァ・・・



「どうした?そんなに急いで」



「あのね、


 私ね、、、、


 

 悠のことが、、、






 好きッッ!!」






い・・・・言えた。

やっと言えたよ。



ビックリした顔のまま
固まってしまった悠。




「悠?」




「あっ・・・・
 いや・・・
 びっくりしただけで」



「あ・・・・
 ごめん」



「謝らんでいいよ」




・・・・・・・・・・






「じゃあ俺と付き合ってくれるの?」




「は・・・はいッ」




「じゃあ、
 これからもよろしくの握手」


といいながら悠は右手を差し出した。



私も悠につられて急いで右手を出し、
悠の手を握った。



「よろしくね」

「あぁ」





私達2人の人生は
この日から始まった。
「悠ー。今日ひまぁ?」

「暇だよ」


付き合うようになってからも
前と変わらない日々。


前と同じように会い、
前と同じように会話をする。



でもひとつだけ
違うことがある。




それは

「空間」だ。
私たちがいるこの空間は
他の人が入ることの
できない場所。



温かくて・・・

悠の笑顔が
気持ち良くて、






なんて言ったらわからないけど



居心地がいい。
もうすぐ悠の誕生日。


何あげようかな?

喜んでくれるものがいいな。



最近の私は
気持ちが浮きっぱなしで

まるで風船のようだった。






「最近お前変だぞ」

「何が?
 いつもと変わんないし」

「違いすぎだろ」


と言いながら私の
頭をなでてくれる。

そんな悠が
私は大好きだった。
そして悠の誕生日


「悠ー!今日が何の日か
 わかる?」

「は?今日?
 アメリカの独立記念日?」


「ばか?(笑)」


ちょっと天然な悠も
大好きな私


「はいっ!
 Happy Biethday★

 今日は悠の誕生日なんだよ」


「あっ・・・・ 
 忘れてた」

「だと思った(笑)」


「中見ていい?」

そう言いながら悠は
私が一生懸命やった
ラッピングを無造作に
とっていった。



「・・・・
 クッキー」

「そうだよ★
 特別に手作り」


「あ・・・あぁ」



悠の顔色が
変わっていく。


悲しそうな目。


何で?


今日は悠にとって
特別で一番
嬉しい日なんじゃ
ないの?



私にはまったく
理解することが
できなかった。



「悠・・・・
 どうした?」


「・・・・・
 あとでお前と
 行きたいところが
 あるだけどいい?」


「???
 いいよ。
 でもどこ行くの?」



私の質問に答えず、
ただボーッとしている。