ますます不思議そうな顔になってしまった來斗さん。

どうしよ。

「てか、來斗さんコナコーヒーください。」

「おお。」

急に注文しだす千李さんに、來斗さんは何かを感じとったようで、その場から離れてカウンターへ。

それを目で追ってると。

「ここ、座ってもいい?」

私の目の前の椅子を引きながら、千李さんが言う。

『どうぞ。』

って、目を合わせて微笑む。

「うん、威音ちゃんは笑顔が可愛い。何でもしてあげたくなるよ。それも才能だ。」

満面の笑みが眩しい!

千李さんのほうが見とれてしまう笑顔だ。

恥ずかしくなって少し赤くなりながら、見つめあってしまった。

「こらっ!なんか入っていきづらい雰囲気作るなよ。」

コーヒーを千李さんの前に置きながら、來斗さんがからかってくる。

「だって、威音ちゃんマジ笑顔可愛いじゃないですか。來斗さんもそう思いますよね?」

「ああ。威音ちゃんは儚げで可愛い!時々、ふっと消えていきそうな感じさえする。」

ドキッとした。

來斗さんはじっと目を見つめてくるから、私はいつも戸惑う事が多い。

なんだか見透かすような目をしてる。

『…消えませんよ。もう、消えません…。』

小さくそういうと。

千李さんが頭をポンポンってして、撫でてくれた。