「見つかったなら何よりだよ。でも私達だって忙しいんだからちゃーんと自分達で探してから依頼に来てね」

『あっ、うん。ご、ごめんね』

「大体探し物はポケットの中にあるもんだから。じゃあ、帰り気をつけて!」








思いっきりハイテンション。強がり笑顔。何食わぬ顔。知らん顔。何も知らないと嘘をついた心。自分がどんな自分でいたのかわからないほどの演技っぷりで彼女達に必死に取り繕った。






アオはそんな私を見て呆れたように視線を逸らす。そして私がぶっ壊れると察したのかさっさと彼女達に背を向け歩き出した。


暫く歩いて、2人だけの空間の確証が持てた瞬間、思いっきり泣き出す私にアオはやはり容赦ない。







『・・・・・・お前さー、馬鹿なの?』

「うっさいなあ!!私だってめちゃくちゃ腹立つよムカつくよ悔しいよ腸煮えくり返ってるよ今すぐぶっ飛ばして泣き喚くアイツらに唾かけてやりたいくらいだよ・・・!」





大丈夫?の一言も言えないのかこの男。でも上っ面が一つもないところが良さでもある。







「・・・・・・アオ、最初から気づいてたんでしょ」

『・・・・・・』

「応答なければお前の耳は価値無しと認定し、引きちぎるぞ」

『安田さんに、告白されたことあんだよ』







諦めたように零したくなかった事実を告げたアオ。アオの背中はやっぱり華奢で、それなのに想像していたよりもまだ幾分マシだったせいで男の背中だな、なんて思ってしまった。