「いくら自分で憶測して悩んでも結局予測的解決にしかならないし、せっかく聞ける距離なのに、関係なのに、勿体ないなーって」

『・・・・・・』

「戸島先輩は充分遠山先輩の隣を満喫して、自惚れちゃってるじゃないですか」

『そ、そんなこと、』

「あるんですよ、先輩。言っちゃえば、いつまでもその遠山先輩の隣に居続けられる保障なんてないんです。もっと言えば、遠山先輩が居て、戸島先輩が居るこの世界が当たり前のように明日も存在する保障なんてないんです」







根本的にはそこに辿り着く。いつ死ぬかなんて誰にもわからない。







「後悔先に立たずってその通りだなーと思いません?」

『・・・うん』







ふわり、と初めて微笑んだ戸島先輩はとっても柔らかくて綺麗で、遠山先輩が惚れる理由もわかる気がした。




そこでちょうど遠山先輩が飲み物を2つ持ってきて急いだように走ってくる。










『お待たせー!何話してたの?』

「遠山先輩の愚痴です」

『えっ!マジかよ。えー、美和、俺に不満があるなら何でも言って・・・全力で直すから!』








遠山先輩から飲み物を受け取り、私をちらりと見て笑う戸島先輩は楽しそうにそのまま遠山先輩の腕に手を回す。それにびくう!とあからさまに驚いて慌てふためきつつ嬉しそうな遠山先輩。