なんだかアオがまるで違う人みたい見えてしまって、顔を逸らしていつも通りを装って言葉を繋げる。








「先輩の、笑顔見た瞬間、時間止まっちゃったんだもん。それから私の心の甘いとこ、先輩の姿見た時しか動かなくなっちゃったんだもん」

『・・・ふーん』









アオからの返事は意外にも素っ気ない。やっぱりアオらしくないとか思いつつ何処かそれが不安でアオの顔を見れない。






「どうせ一目惚れって言ったら、笑うんでしょ」

『何それ。笑わねーよ。一目惚れ、いいじゃん』







その凛とした真っ直ぐな声に、アオの方を無意識に向いていた。アオは床に落ちた紙飛行機を拾い上げると、手で弄りながら見つめている。その横顔はやっぱり綺麗で、ミステリアスだ。







『───俺もわかるよ、一目惚れ』








切なげに微笑んで顔を上げたアオの表情に胸がきゅ、と締め付けられた。本気の、恋なんだ、とただ見ているだけのこちらが気付かされるほどの切なさ。