今頃、ハルはアイツに告白しているんだろうか。






息を吸い込んで見上げた空は快晴。卒業式日和だな、なんてどうでもいいことを思いながら、グラウンドをゆったり、ゆったりと歩く。1人はこんなに静かだ。







在校生は卒業式後も授業があるのだが、俺は誰にも許可を取らず早退。もうそろそろ、在校生が卒業生を見送る時間になる。










「・・・ゴリラ見たらぶん殴りそうだしな」








3月1日、久しぶりにハルが俺を見つめてくれた。修学旅行のあの日からハルは俺を露骨に避けて、俺は自分を何度も殺したくなった。









所詮当て馬は当て馬で。結局、真奈美ちゃんも先輩とくっついて、瀬野は笑って彼女を送り出した。









「ださ。俺、同じことしてるし・・・」









ひどく長い片想いだった。ひたすら交わることのない片想いで。それでも俺は、報われないと知っていながらもハルの隣を選んだ。