慌てて担架を持って現れた大人の男の人達に何処か痛いのかさえわからない身体を持ち上げられて、保健室に運ばれたのだ。






「・・・だれも、こなかった」







呟いて、俺は、こんなになっても未だにあの人たちに期待していたのだと自分自身に思い知らされた。



さすがに「チームメイトが倒れれば普通は」なんて、普通じゃない人達には通用しないのに。



俺が担架で運ばれている中、チームメイトであるはずの彼らは誰1人として俺の顔を覗き込んで来てはくれなかった。





そんな要らないことまで記憶が鮮明に思い出されて。空になった心の何処を突き刺したのかわからないが、確実な痛みが俺に襲いかかった。







独特の香りがする、静かな保健室。これは全国共通なんだ、とどうでもいいことを思う。

一番窓際のベッドに寝かされた俺は、窓から入り込む風によってはらりはらりと揺れるカーテンを無心で眺めた。



これから俺は、どうやって生きていけばいいんだろう。







『どうして泣くの我慢するの!』







突き刺さった。