『バレンタインなので!愛を込めて春井先輩フォトブック作っちゃいました』

「え、」

『もちろんチョコもありますよ。今日は近くに青井がいなくてマジ助かります!』







分厚くて物凄いゴテゴテにデコレーションされたフォトブックを見て見てと物凄い純粋な目力で訴えられて渋々開けば物凄い量の私の盗撮写真。めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。






「う、わあ、やばいよこれ警察行きだよ佳菜子ちゃん」

『いえこれはただの愛なんで!』

「典型的なストーカーだね」

『照れますうふふ』







ページを捲る度に私の怒った顔、死んだ目の顔、寝顔、変な顔、やばい顔、泣きそうな顔、笑った顔。その多くの写真の隣にアオがいた。






『・・・最近、春井先輩あの野郎といないですよね』

「、」

『私のお気に入りの大好きな春井先輩の笑顔があるんですけど、あ、これと、これと、これも、こっちも、』







フォトブックの私の笑う写真をどんどん指差していく佳菜子ちゃんはその手をやめると、私に顔を向けて、ほんの少し困ったようにはにかむ。








『これぜーんぶ、青井先輩と話してる時の春井先輩なんです。びっくりですよね』

「っ、」

『春井先輩、最近元気ないしあの馬鹿野郎も元気ないのはどうでもいいけど、やっぱり寂しいなあって』

「・・・佳菜子ちゃん」