「心配したんだっつーの!」

『・・・うん、ありがとう。ごめんね?ハル』




思い切り叫んだ私にアオは驚いたように目を丸くさせた。が、すぐに瞳を細めて謝罪の気持ちを孕ませ色を落とすと優しげに私の顔を覗き込む。



気持ち悪さが収まるまでアオは私の隣でずっと、優しく私の背中を撫でていてくれた。たまに撫でられる髪が、やけに甘ったるくて違う意味で胸が痛くなりそうだった。





「──も、大丈夫、ありがとう」

『ほんと?大丈夫?元と言えば俺のせいだし』

「そうだねアオが悪いね」

『そこは遠慮しろや。じゃあ俺、拓人に連絡す──、』




他愛のない言い合いができるようになったところで、アオがコートのポケットからスマホを取り出す。そして画面を見た途端固まる。


それに私も首を傾げてアオの画面を覗き込んで同じように固まる。そこには鬼のような着信とLINE。





『やべえ、俺平野さんに殺される気がする。ハルもきてるんじゃねえの』

「うん・・・あ、私、充電切れだ」





アオが泣きそうになりながら電話を掛けた時間がもう既に夜の8時少し前。もうどう頑張っても8時に間に合うわけがない上に下手したら夏子も故原くんも着いている。




《何してんのよ!!!!生きてる!?青海と連絡が取れないんだけど、どうしよう!》