楽しそうな2人は私達を半目で見つめ、疲れたように溜息を零す。軽くキレ気味な夏子と困ったように笑う故原くん。





『拓人くん、時々思わない?』

『え?』

『なんで私達ってこんな“クズ共”と友達やってるんだろうって』





ピシャアアアンと雷を落とされた私とアオは項垂れ、そんな私達を鼻で笑う夏子の後ろをとぼとぼ着いていく。勝てない。全く勝てない。



と、鶴岡八幡宮を帰る途中、私の大好物を見つけて思わず飛びつく。





「ぶどう飴!20個くださーいっ!」




小さな屋台には青紫色をした小粒のぶどう飴が沢山並んでいる。嬉々としながらそれを買う私に遅れて来たアオは軽くご立腹である。





『ハル、お前はまたそうやって』

「違うんだって!これは小学生の時にも食べたんだけどめちゃくちゃ美味しいんだって。20個は余裕だから」

『まさか20個買ったの?』

「え?うん」

『・・・ハルってそんな馬鹿だったっけ?』




もうお金は支払い済み。袋に丁寧に入った20個のぶどう飴を見たアオは片手で顔を覆い、盛大に溜息を着く。そして私の首根っこを掴んでさっさと歩き出す。





『もうだめ。お前今日お金使う時は俺呼ぶこと』

「もう使わないってー。てかもう使えないってー」

『は?』




ぶどう飴を一つ。口に突っ込んでアオにそう言えばアオは私を掴んでいた手を離して目を真ん丸にしながら私を見下ろして立ち止まる。