「でも、マネージャーさんも勝部先輩と話す時だけとても楽しそうで、特別な感情を持ってるんだなと思ってましたよ」

『え?』

「・・・2人は・・・・・・両想い、なんだろうなあ、と、ずっと思って、ました」





ずっと見てきたから、わかっていた。好きな人なら尚更、誰を想って誰に想われているのか。ただ、恋をすると盲目になるようで、それさえもシャッターをしてご都合主義でいたい私が先行していた。



自分に可能性が微塵もないと思い知ると、こんなにも世界はクリアに見渡せるのに。






『いやいや、さすがにそれはないと思う。本当にただの幼馴染みだとしか、思われてないよ』





弱々しく浮かれないように必死に線を引く勝部先輩は、苦笑いをして視線を落とした。それを見て息を吸い込んだのはアオだ。




『ハルが言うなら間違いないです』

『いや、でも、』

『うるせえゴリラ間違いねえっつってんだから信用しろよ』

『!?』

「ちょっとアオ、」






アオが告げても尚、弱々しい勝部先輩にアオは眉間に深いシワを寄せて本性をさらけ出す。それにビクッと肩をあげる勝部先輩と、慌てて止める私。