そうして、なんとか呼吸を浅くも整えた私とアオは2人掛け用ソファーに姿勢正しく座る。目の前で1人掛けソファーがめちゃくちゃ小さく見えるくらいの巨体の持ち主、勝部先輩を見つめながら。




だが、勝部先輩はここに来たはいいが姿勢を正しくしたまま動かない。それに平常心を取り戻したアオが私の横腹を肘でつつき、小声で話しかけてくる。






『なにアイツ・・・なんで喋んないのやっぱりゴリラだったの』

「うっるさい。相当重い話なんじゃないの」

『早く催促しろよ、あ、バナナあげればいんじゃね』

「バナナないもん」

『そこは否定しないんだ』






2人でこそこそと話をしていれば、「実は」と勝部先輩が腹を決めたように口火を切った。その真剣な眼差しはやっぱり力強くて胸がぎゅ、となる。







『───────・・・好きな人に、告白したいんだ』





本物の雷が、私に落とされた。




唖然。何も言えない私。その横でアオも同じように黙り込むがその顔は何処か険しい。私達の事情など全くもって知らない勝部先輩は、言葉を続ける。






『・・・家が隣で幼馴染みだから、今更どうやって好きだって言えばいいのかわからなくて、』