「え!?森さん明日までなの・・・?」

『実はねえ、そうなんだよ』






部室に向かう途中。職員室前の枯葉を掃除する用務員の森さんに何気なく声を掛けた。そして衝撃の真実を知って私の無防備な体に落雷が落ちる。




隣でパックのイチゴ牛乳をストローで吸い上げていたアオはそんな私に冷たい眼差しを向けながら呆れている。





「森さん、明日もこの時間までですか?」

『いやいや、明日は1時半には上がるから…春井さん達が5限目受けてる頃にさよならだねえ』

「やだやだやだ超寂しい!森さんアオハル部入りましょう、ね?」

『ハル何言ってんの馬鹿か』

「薄情野郎は黙っててよ」






森さんは明日をもって用務員の辞めてしまうらしい。ぎゃんぎゃん辞めないでと吠える私に優しくシワを緩めて笑う森さんはどこか嬉しそうだ。






『先生でもないのに、こうして春井さんと仲良くできて楽しかったです』

「もぉおおおお!森さんそんな最後みたいなこと言わな・・・最後やだあああ!」

『情緒不安定過ぎるだろ落ち着けよハル』






掃除の邪魔だろ、と付け加えたアオは私の腰に腕を回す。暴れる私に耐えながら森さんにぺこ、と頭を下げてその場を後にする。



部室に着いて、私をぽいっと投げ捨てたアオはすぐにソファーに寝転び少女漫画を読み始める。