『あ、蓮見、明日は呼び出した瞬間、思いっきり自分が馬鹿共に言いたい事ぶちまけろよ』

『え?』

『一生言えないかもしれねーんだから、言っとけ』







アオはそれだけ言うともうその後は話すことなくスマホをいじっていた。私の睨みつける眼光も無視して。






──翌日、12時34分、体育館裏。


かなりベタなところで私達は2対15という危機的状況をノープランで挑むことになっていた。








『・・・蓮見、なに?俺ら忙しいんだけど』

『あれ?2年の春井さんじゃん、どーも』







昨日の間に蓮見くんが剣道部の先輩1人1人に連絡して、もしかしたら来ないかもしれないなんて予想を上回り全員が集合して下さりやがった。





来てすぐはけたけた笑っていた先輩たちだった。だが、蓮見くんと私の表情が敵意に満ちていることに気づくと、途端にそれらを排除するような冷徹な瞳に変わる。








『おい、呼び出しといて何の用なんだよ早く言えよ』







キレ気味に先輩が1人、そう呟く。蓮見くんはぽそぽそと震える声で何かを落とす。隣にいた私にもそれは聞き取れない。