『はああーいッ!開けて中入ってきてー』

「うーわー声でかいー耳の鼓膜やられた」

『ハルが行かないのが悪いんだろ』

「あいあいさあせぇーん」

『うっざ、何その謝り方めっちゃうざい』






アオの声が届いたらしく、扉がガチャと開いた。かと思えば1人の男子生徒が不安げな表情で立ち尽くしていた。





アオはゆっくりとソファーから起き上がり、入口で立ち尽くす男子生徒に無表情のまま間延びした声を届ける。







『なんか用あんだろ。そんなとこ突っ立てねーでこっち来て座りなさんな』

『あっ、はい』






私も椅子から降りて、アオの隣にいつも通り座る。男子生徒は私と同じくらいの背丈しかない少し小柄な男の子だ。




彼は支持された通り、1人掛けソファーにちょこんと座り、黙り込む。私は彼をじーっと見つめるが、アオは最初から興味など無いのか少女漫画を読み始める。










「・・・あのー、なんかあった?」

『───・・・・・・』








あまり重圧を掛けないようにしながらゆったりと微笑んで彼に問う。彼は口を開きかけたがすぐにぎゅっと結んでしまった。