「───・・・・・・ちょー寂しい、」





“なあに、ハルちゃん。もしかして俺と会えなくて寂しいの?”


「そうだよ、だから早く帰ってこいよカスバカ屑アホナス顔だけ野郎」






認めたが最後。心は隙間を顕にして澱んでいた寂しさが明確になった。途端にここに居るのが辛くなって窓を閉めてさっさと部室を出ようと出口に向かって走った。



扉を開けて足を踏み出した瞬間、何かにぶつかってよろけたが、ぶつかった主に身体を支えられて転倒せずに済む。






「すみませ、」

『あ、やっぱりいた』






顔を上げたその先には、ご満悦な顔をしたアオ。私を見下ろしていつもと変わらない間延びした声を私に届けた。




いやいやいや、なんでここにいんの。幻覚、とうとう幻覚?まさか分身、影分身なんてアイツどこで覚えたの意味わかんないだってまだ夏休み終わってないし取り敢えずどういうこと。




頭の中が忙しい私に、目の前のアオは首を傾げて私を綺麗な顔で見下ろす。






『ハル?』

「・・・・・・なんでいんの」

『なんでってどうせハルここにいるだろうからお土産渡そうと思って』

「違うなんで帰ってきたの!」

『帰ってきちゃだめなの!?え、何いつの間にかイケメン指名手配とかされるようになったのジャパン』

「クズ国外追放だから」

『ばっかそしたらハルが国外追放されないのはおかしいだろ』