『はじめてのおつかいっすか?』

『違う!馬鹿か!』




吹き出す私も一緒に一喝した設楽会長は腹を括ったように大声で言い切った。






『俺はホラーがだめだ!!!』





彼の言葉に首を傾げる私とアオ。




『ッ・・・だから俺はホラーがだめだ・・・!』

『あ、夕方のはじめてのおつかいっすか?』

「あはっ!」

『お前らぶちのめすぞ』





顔をゆでダコにした設楽会長は立ち上がってアオと私に罵声を浴びせる。アオはどうやら真面目に言っていたらしく頭に「?」を浮かべている。コイツは本当に馬鹿だ。





「ホラーが怖いのわかりました。もしかして、克服したいとかそういうのですか?」

『・・・そうだ。実は、生徒会で夏休みにテーマパークに出掛けることになったんだが、女子共がお化け屋敷に行きたいと言い出して』

「女の子に助けてもらえばい、」

『あ?今、何か言ったか』

「・・・頑張りましょう。ホラー克服」





設楽会長の威厳にビビりあがって、どうしようと腕を組んで思考を巡らせる。そしてすぐにある策を引っ張り出して、目の前で眉間にシワを寄せて黙り込む設楽会長に提案する。





「ホラー映画を観まくりましょうか」

『そ、そんなので治るのか』

「治るというか免疫をつける的な、荒療治的な」

『・・・・・・わ、かった』

「さてそう決まればオカルト部さんからそういうの一式借りてきましょうか」