『静川さんは!可愛いよ・・・!今のままですっげー可愛いよ!可愛いから!』

『っ、ありがとう、・・・あ、あの、髪を切ろうかななんて思ってるんだけど、ど、どうかな・・・?』









ぽかん、と立ち尽くす私にアオが振り向いて無表情のまま私を手招きする。そちらに行けば腕を引かれ、牧田くんの表情が見えるところに誘導される。











『静川さんならぜってー可愛い・・・!楽しみにしてます!』

『どっ、どうもありがとう・・・!』








そこで冷やかされながらもサッカー部の招集に従う牧田くん。背を向ける直前まで顔を真っ赤にしながらも満面の笑みで牧田くんは静川さんに手を振っていた。







私達の隣の静川さんもほんの少し泣きそうになりながら真っ赤に染め上がった顔を緩ませて、暫く牧田くんを見つめていた。










『・・・本当にありがとうございます。明日、頑張ります』

『頑張んなくていいんだって。アイツも言ってたろ?そのままの静川さんでいいんだって』









重箱を閉まって、立ち上がって頭を下げる静川さんに、アオはただただ思ったことを呟く。素っ気ないし、面倒そうな声色だけど静川さんは嬉しそうに微笑んだ。