「ありがとう!さすがヒーロー!」

『うん別にいいよ。なあつぎ縄跳びやろうぜ。ケンタも行こう!』

『うん!』




ケンタくんを含め男の子達は大満足したように縄跳びを取りに園内に走って行った。


やっと2人の休憩時間が訪れて土まみれになるアオの制服を2人で叩く。




『脇腹ちょー痛いんですけど本物のワルモノさん』

「あはっ、お姫様なんですけど子供相手に本気のワルモノさん」




大体の土を落とし終わって頭を振って髪の土を落とそうとするアオ。乱れたままのアオの髪を腕を伸ばして整える。



「・・・私が悪かった。ごめん」

『は?何が』

「私の優しさは邪魔だったと思う」

『・・・ああ、あれね、ごめん。俺も言い過ぎた』

「そんなことない」





首を横に振る私に容赦なくアオのチョップが脇腹にヒットし、脇腹を抑えてアオを睨みつける。




『俺もさあ、小さい頃よく仲間に入れてもらえなかったんだ』

「え?」




アオは縄跳びをしながら遊ぶケンタくん達を優しい瞳で見つめながら声は私に届ける。




『ほら、俺可愛いから』

「女顔だもんね」

『遠慮しろや。まあそうだな、それで男達は俺のことよく女とか色々言ってきてさあ』

「あ、それでさっきみたいなケンタくん状態に?」

『いや俺はそいつら追いかけ回して全員の服の中にクレヨンぶち込んでやったよ』

「つくづく最低だな」




アオは柔らかい笑みを浮かべて、不意に私に視線を向ける。