でも、やられてばっかりいるのは嫌。


主導権は私にあるって飼い犬さんに分からせてやらないと。



私はゆずの手を引き、顔を近づけて、





「ちゅっ」





ほっぺたにキスをした。



みるみるうちにゆずはタコみたいに赤くなっていく。

ふふ、ゆでダコならぬ“ゆずダコ”かんせ~いっ!!






「ママ~、見てみてあのお兄ちゃん真っ赤だよ~。お熱あるのかも!」



「大丈夫よ、あれは恋の病だから」






通りがかりの親子の会話が聞こえてますます赤くなるゆずダコ。






「恋の病だって。ふふっ」






対する私はご満悦。