◇仕事◆                                

「谷中さん?手、止まってるじゃない。」

「えっ?すっすみません。」
また…考え事しちゃったぁ。もう、何年も前なのに……。

「はぁ…。」

「谷中さん、どうかしたの?なんか入社してからずっと暗いよ?」

この人は同期の富岡さん。私より1つ上の今どきボーイ。

「あ、なんでも…ないです。すみません。仕事に集中しないといけませんね。」

「そ?なんかあったら相談してね。俺、力になるからさ♪」

「ありがとうございます。」
《あの人、絶対女ったらしだな(笑)社内の女性に気に入られてるのもあるけど…。》

でも、私はこれから何が起こるかなんてわかるわけもなく、毎日普通に過ごしていた。