「ひっ…!!」


いきなり聞こえてきた声にゾクリとして後ろを向くと、
にこにこと笑っている男が一人。


「あ…ごめんなさい、出て行きますから…!!」

「別にいいよ?出て行かなくて。」

「え…?」

「ってか、びしょ濡れじゃん!!タオル持ってくるから待ってて!」

「あ、ちょっと…」


ばたばたと奥に引っ込んでいったその人。
…え、なんか優しい?
普通、こう…
"誰だお前!!出てけ!!"みたいな感じなんじゃないの?

そのまま突っ立っていると、タオルを抱えてきたあの人。


「さ、これで拭いて?」

「ありがとうございます…」


ふわふわのタオルで、髪の毛の水分を取っていると
みるみるうちに赤くなる彼の顔。


「…あの…?」

「え、あ……な、何か着るもの持ってくる!!」

「え…?」


また奥に行ってしまった。
ふと自分の格好を見ると、ブラウスが透けて下着がくっきりと見えている。


「…わぁぁぁっ!!」


慌ててタオルをかぶって何とか隠す。
ばか、私…!!
かえって気を遣わせてどうすんのよ…!!