「家に帰らないの?」

そう声をかけてきたのは…多分40歳代のオヤジ。
ちょっとメタボ入ってそうな体型だった。

生理的にNGなんだけど…相手を選んでなんかいられない。

お金のためならガマンするもん。

「家出中だから。ねぇ今夜泊めてくれない?…これでどうかな」

あたしは手を広げてメタボに見せた。

もちろん五万って意味。

高いって反応を見せたら少し下げる。

お互いに交渉して折り合いつけば商談成立。

いつもはこんな流れだったのに…メタボは交渉ナシで話に乗ってきた。

「いいよ!それで…でもお願いがあるんだけどな…」

楽な相手だと思った。

交渉ナシ?今夜はツいてるかも…

問題はこの『お願い事』って…なんだろ?

メタボは少し興奮気味に言った。

「ちゃんと前払いするからさ…そこの路地で…いい?」

「えっ?外で…って事?」

「うん、うん。ね?」

…どぉしよ…

あたしは一瞬迷った。でもすぐに決断した!

「オッケーだよ!」


背に腹は替えられない


あたしは約束通りお金を受け取り、メタボと一緒に細い路地へと入って行った。


すぐに後悔するとは思わずに…