《もう行くね…できれば誰か迎えに来てくれないかな?でも絶対にサラは来ないでね》


平田先生の住所を伝えて、向こうの警察に先に行ってもらう事にした。

確信なんかなかったけど、ムリを言って親切な警察官の人に平田先生のオフィスへ連れて行ってもらった。

間に合う…絶対に間に合うよね?

本気でこんなメールよこしたんだったら許さないからね!

凛…トーキもバカなんだから!

みんなで考えれば良かったんだよ!結果なんて急ぐ事ない!

だって生きてさえいれば

人生長いんだもの

私は貴方達に教わったんだよ?


しばらく車を走らせていた時、一緒に乗っていた警察の人に連絡が入った。

そして…






二人が遠くに逝ってしまった事を告げられた───

平田先生のオフィスに着くと、そこは警察官で溢れ返っていた。

私は…中に入れずに外で立ち尽くしていた…

見上げた空に月が登ってる。

──今日は確か皆既月蝕だって聞いた。もう終わったのかな…

全然関係ない事を思い出す。

そして夜空に向かって私は泣いた…

「凛…!トーキ……!うわぁぁぁん…!!」



メールの最後は
こう綴られていた。


 《また逢おうね》