《サラ。

何も言わずに家を出てごめんなさい。
詳しい話しは省くけど、今、藤紀と一緒にいます。》


深夜。
──私の携帯に凛からメールが入っていた。

昨日から家を出たまま連絡がなかった凛から。

最初は、凛からのメールに安心してた。
でも、読み進めていくうちに最悪な結末が頭をよぎった…

《今、平田先生のオフィスにいます》

私は慌てて家を飛び出した。
よっぽど慌ててたらしい。かなり走ってから電車はすでに走ってない事に気付いた。


《だけど先生はもう居ません。あたしの義父も、もう居ません。

けれど、あたしは藤紀とこの世界から逃げる事にしました。

許した訳でも許された訳でもない…

だけど素直に愛する事もできなかったから。二人で決めたの》


どうか間に合って…!

私は…仕方なく近くの警察に寄り、簡単に話しを伝えて助けてもらう事にした。




《今までありがとう。サラに出会えて、あたしは本当に幸せでした。ずっと親友だと思ってていいよね?

あたしはずっと忘れないから。

藤紀と出会えた事も、愛せた事も今は全部が良かったと思う。

それで良かったんだと思える…後悔なんかなかった》