母親からも聞かされて事態が少し飲み込めた。

オレはまだ子供だったけど

絶対、陽菜の為に仕返ししてやるって思った。

その後、病院から
『イシャリョウ』
というものが出たらしく
直後、母親は蒸発した。
父親だって連絡なんかしてこない。

オレは親戚にも預けられる事なく施設に入る事に。
母親と暮らした苦痛の日々よりも、天国だなって思った。

暖かい布団と、ご飯。

今まで生きてきた中で生活は一番楽だった。

数年後、中学を卒業し高校へ進学。
一人暮らしも始めたからバイトの日々…

そんな時、オレは目にした。

【アリマ】が
テレビに出ていたんだ。

確か選挙絡みだったと思う。
忘れていたワケじゃなかった。いつか見つけだして仕返ししてやると誓ってた事を

『今』思い出させてくれたってことは…

『今』実行しろって事じゃないのか?

オレは早速、【アリマ】について調べだした。それは案外、簡単にできた。

結構、世間に名が知れてる人物だったおかげでな。

生活サイクルを調べあげて、奴らをどこで殺すかも計画した。

ここでオレが躊躇したのは…奴らの一人娘の存在だった。

陽菜と…少しダブって見えたから。