「どうして知ってるの?!藤紀が犯人だって事…」

あたしは驚いた。
前に会った時に気づいたのか…とか、色々考えていた。

だけど、その答えはまたもや意外な人物の口から告げられた。

「俺が教えたんだよ」




「ひ…平田先生!」

あたしは義父に気を取られていて、他に誰が乗っていたのか気づかなかった。

平田先生は助手席からヒョイと顔を出して言った。

「この前は大丈夫だったかい?後でまた診てあげるからね」

「なんで…?なんで平田先生が一緒にいるの!?」

「平田先生はお前を心配してくれてたんだよ?」

「どうして、あたしがここに居るってわかったのよ!?」

あたしは軽くパニクってた。よく考えてみれば…あたしはフラフラと街をさ迷ってただけなのに…!

「どうしてって…」

先生が少し笑っていたのに、あたしはカチンときた!

「もしかして、後をつけてたの?!」

「ハハハ…まぁね、街中で突然、車に乗せたら周りの人が驚くだろ?人通りが少なくなるのを待ってたんだけど…まさか藤紀と一緒にいるなんてな」

「ちょっと待って…藤紀をどうするつもり…?」

「ルールを破ったんだ、再教育か…塀の中に逆戻りさ!」