「凛!」

藤紀があたしの名前を呼んだのと同時に

彼は殴られた。

「藤紀!!ちょっと!何するの!?」

「彼氏に用はないんだよな~アンタだけでいいの」

そう言って、あたしを半ば引きずるように連れていった。

「ヤダ!止めてよ…っ!離して!」

あたしは抵抗しながら…藤紀の方を見た。

藤紀が

数人の男達に暴行されていたのが見えた。

「止めて…止めてよぉ…行くから!何処へでも行くから止めさせて…!」

藤紀を傷つけないで…

あたしは泣きながら言った。

これからどうなるのか怖い。だけど藤紀が…気になっていた。


あたしは公園の駐車場へと連れてこられ、一台の車に押し込まれた。

そこで会った人物に…目を疑った。








「…お義父さん…!」

「久しぶりだね?本当はもっと早く迎えに来ようと思ったんだけど…なんせ怪我してたもんでね」

そう言って、藤紀に折られたはずの腕を叩き、完治したとアピールした。

「何処へ連れて行く気?!」

「どこでもいいじゃないか」

「行くから…藤紀に暴力をふるうのを止めさせてよ!」

「何故?別に死んだって構わないだろ!アイツがお前の親殺しの犯人なんだしな!」