日常を忘れさせてくれる空間

多分、彼氏とかには絶対に言われないであろう言葉を言って、お客さんを喜ばせるの。

もちろん、あたしの隣のホスト達もそうしてた。


でも…何だろ?


言われれば言われるほど、あたしの心はこの場所から離れていった。

「凛ちゃん?…何か落ちてる?オレが忘れさせてあげるよ」

「別に…落ちてないよ」

そう…そんなんじゃない。

だけど気持ち悪くなってきてあたしは席を立った。

「ミカちゃん、ちょっと酔ったみたいだから…外の風に当たってくるね」

「大丈夫?」

「うん。飲みなれてないからね…」

ホスト達も声をかけてくれたけど…もう何を言ってるのかよくワカンナイ。

酒に酔っていたせいではなかった。


お酒なんか全然飲んでないもん。


外に出て、気分の悪かった理由が何となくわかった。

あの人達はただ言葉を並べていただけなんだ

だからあたしには入ってこない。響かない。

嬉しくもならない…

身体目的のオトコ達とSEXしていたのを思い出す。

身体は確かに気持ち良かったのに…嫌悪感を抱いていた。


確かにホストは仕事だから仕方ないんだけどね。

そう自分を納得させた